上司になるといろいろとやることが増えます。
一般社員であれば自分の業務だけに集中して行えますが、
上司となるとそうもいきません。
人数の大小はあれどチームのリーダーになり、
チームをまとめて目標を達成することになります。
自分のことだけでなく部下にも目を配らなくてはなりません。
実際の業務において上司になったらまずやっておくべき行動について伝えたいと思います。
項目は3つあります。
①自ら挨拶
②人を呼ぶとき誰に対しても「○○さん」
③感謝
簡単ではありますが少しだけ私の経歴を書くと、
薬学部卒で薬剤師免許を取得し就職。
就職後はドラッグストアや調剤薬局につとめ、
ドラッグストアや調剤薬局で管理者(薬局長)として8店舗、
エリアマネージャーとして10年、
そして今は課長職として働いています。
目次
・まずは「あなた」を知ってもらう必要がある
・あなたを知らない部下も不安や期待を感じている
・上司になったら最初に行うべき行動は3つ
①自ら挨拶
②人を呼ぶときは誰に対しても「○○さん」
③感謝
・まとめ
まずは「あなた」を知ってもらう必要がある
もしあなたが初めて上司になったのであれば、
「いざ上司になったはいいけど何をどうやればいいんだろう・・・」
と、不安や心配事で頭がいっぱいになっていることでしょう。
いや、もしかしたら
「よし、あれもこれもやってやるぞ」
と血気盛んに感じているかもしれません。
いずれにしても今までとは違う立場で違う働き方になるのですから、
期待や不安など様々な感情が混ざり合うのはある意味当然のことです。
まずは少しリラックスして気持ちを落ち着かせましょう。
以前に上司の役割について書いたことがありますが、
もちろんここまで出来る様になるにはそれなりの時間を要します。
どんなに優秀な方でもいきなり上司の役割が全部出来るわけではありません。
出来る方がいれば相当なセンスを持ち合わせた方になるのですが、
それでも時間を有する必要があります。
なぜかといえば部下の方たちはまだ「あなた」がどういう人間かを知らないからです。
知らないから「あなた」についていくことが難しいのです。
もちろん職場内の数名は「あなた」を知っているかもしれませんし、
以前同じ職場で働いていたことがあるかもしれません。
ですが全員ではないはずです。
また親交がある方でも「上司」となったあなたとは初めて働くことになります。
さらにはあなたを知っていたとしても、それぞれ知っている程度や深みは違うはずです。
仕事だけでなくプライベートの付き合いをしている方と、
名前と顔を知っている程度の部下ではあなたに対する理解度は全く異なります。
ですからあなたがどれほど上司としての未来像を明確に持っていたとしても、
そもそもあなたを知らない部下の立場で考えるなら、
まずはあなたを知ってもらう、
興味を持ってもらうことが必要になります。
まずは順番として先にあなたを知ってもらうことに重きを置き、
自分が「○○をする」宣言はこの後になるのです。
自分を知ってもらうことの重要性は、
何も初めて上司になったときばかりではありません。
例えば人事異動で新しく配属された職場でも同じことが言えます。
同じ役職であればA職場からB職場に異動になったとしても、
基本的な業務は変わらないかもしれませんが、
あなたという存在を知らない場で働くことになります。
どんな職場でも始めは自分を知ってもらうことから始まります。
あなたを知らない部下も不安や期待を感じている
あなたが新たな役職や職場でどう働いていくのか、
期待や不安を抱えていると同様に、
部下から見れば新たに上司となるあなたはどんな人なのか期待や不安を持っているのです。
あなたを勝手知ったる仲であれば期待が大きいでしょうし、
あまり知らない方であれば不安の方が強く感じていることでしょう。
さらに前任者との比較もされてしまいます。
単に仕事が出来るかどうかだけではなく、
性格であったり仕事に対する考え方だったり、
身なりや言葉使いまでありとあらゆることを意識してもしていなくても必ず比較されます。
これはなにも仕事に限ったことではないですが、
相手を信頼するにはその相手を知っていることが最低条件です。
見ず知らずの方を信頼することはまずありません。
相手を知ることで心の距離がすこしずつ縮まっていきます。
ましてや部下から見たあなたは上司としてあなたから評価される立場になります。
勤務先に人事考課制度があれば、
あなたが部下を評価する立場になるわけです。
当然部下課から見てあなたがどんな人なのか知らなければ、
ただただ警戒心がまずばかりです。
部下からみれば、あなたに対して興味があるのと同時に不安な存在でもあるのです。
上司になったら最初に行うべき行動は3つ
前置きが長くなってしまいました。
要は何を始めるにもあなたを知ってもらうことが最初になりますよということです。
あなたを知ってもらって、
少しでも警戒心や不安といったマイナス要素を減らしましょうということです。
と言ったところですぐにあなたを理解してくれるわけではないですし、
1日2日で簡単に警戒心が無くなるわけでもありません。
警戒心などのマイナス要素を取り除き、
あなたを知ってもらい興味を持ってもらうには時間がかかります。
焦らないことを念頭においてください。
そのうえで3つの行動を実践してください。
①自ら挨拶
「え?こんな簡単なこと?」
そう思いましたよね。実に簡単な行動です。
ですが1つポイントがあります。
自ら挨拶するということです。
大事なことはあなたから挨拶をしてください。
あなたから率先して挨拶しましょう。
朝職場に入ったら「おはようございます」
部下が職場に入ったら真っ先に「おはようございます」
外回りするなら「○○に行ってきます」
誰かが職場に戻ってきたら「お疲れさまです」
休憩に入るときは「休憩に入ります」
誰かが休憩戻ってきたら「お願いします」
誰かが退勤するなら「今日もお疲れ様でした」
自分が退勤するときは「先に帰ります」
・・・などなど
繰り返しになりますが基本は自分から先に行うことです。
もちろん気だるそうにしないでください。
大きな声は必要ないですが、相手に聞こえる程度の大きさは必要です。
相手が無反応でも気にしないこと。
相手がめんどくさそうな顔をしていても気にしないこと。
時間が経てば徐々に相手も返してきてくれます。
挨拶されて気分を害する人はそうそういません。
相手から返事が返ってきたならそれは警戒心が少しずつ薄くなってきている証拠です。
挨拶を続けることで相手の警戒心を薄くする効果もありますし、
(もちろん挨拶だけでは警戒心のすべてを解くことはできませんが)
相手の反応をみて自分に対する警戒心のバロメーターとして判断することもできます。
さらに続けることで社員の体調の変化や、
なんとなく雰囲気がいつもと違うなども感じることが出来る様になります。
意外とこの効果は大きいですよ。
②人を呼ぶときは誰に対しても「○○さん」
一社員として働いていた環境とは異なり、
上司になれば時には部下に対してあまり面白くないこと、
つまり業務に関するいやな指摘をする場面が必ず出てきます。
部下にとっては耳の痛い話をすることもあります。
上司は部下と同じ目線で話し接する必要があるとはいえ、
いざ決断をする際には部下より一段高い視点で物事を見る必要があります。
部下と親密になることは大事ですが、
どの社員にも同じくらい親密さを保つことが重要です。
一部の部下にだけ仲良くすることは(仮にそのような意図がないにしても)、
他の社員から見ると不公平感が出てきます。
仲の良い社員に対して贔屓にしているのではないかと映るのです。
ですからどの部下に対しても一定の距離感を取ることが良いです。
それまで仲良くしていた方に対してもです。
どの年代も関係なく、性別も関係なく、考え方の違いも関係なく、
「○○さん」と呼ぶことがいいでしょう。
単なる呼び方の話ではありますが、「○○さん」と呼ぶことで、
私は皆さんをフラットにみていますという印象を少しは与えることが出来ますし、
何より自分自身が意識して距離感を保つことの助けになるはずです。
勘違いされる方がいるのですが、
上司になるとやたら偉ぶる方がいます。
これは完全に間違った対応です。
というのも上司だからと言って、
部下と比べて優れた人間であるわけではないからです。
役職は単なる役割の違いであり、
求められる業務内容が異なるだけです。
上司になったから人間性が偉くなったわけではありません。
変に偉そうな態度をとると、
部下からあっさり見限られることでしょう。
謙虚って結構大事ですよ。
ただしこの「○○さん」はあくまで職場においての呼び方です。
仕事が終わった後のプライベートでは、
相手をなんて呼ぼうが自由にすればいいだけの話です。
職場内での距離感がわかっているのであれば、
オンとオフを切り替えて付き合えばいいと思います。
あくまで私の感覚ではあるのですが、
自分の上司となる方や役職が付いている方に対しては、
役職の上下関係なく「○○主任」「○○課長」などと呼んでいます。
役職で呼ぶ理由はビジネスマナーであると考えていますし、
尊敬の念を表していると考えるからです。
とはいえこれらの呼び方は職場の雰囲気や企業文化で対応が分かれると感じます。
どう呼ぶにしても相手に対して気持ちを込めて対応することを心がけたいですね。
③感謝
上司になれば各社員に仕事を振り分けることになります。
つまり自分1人が頑張ったところで、
周りの社員が全く動いてくれない状況となると仕事が全く完結しません。
周りの社員の協力があって仕事が成り立っているのです。
始めのうちはあまり実感がわかないかもしれません。
しかし経験を重ねるにつれ、
いかに周りの社員の協力が大事であるということに気づかされます。
これは役職が上がれば上がるほど感じます。
それともう一つ、
部下から見てあなたの指示や考えに対して、
必ずしも肯定的な社員ばかりではありません。
あなたの考え方と合わない、指示に納得できない、本当は別のことをしたい、
そう思われても何ら珍しいことではありません。
10人の部下がいれば10通りの人生観があるのです。
ですが部下は不満を抱きつつも、
そこはぐっとこらえてあなたの指示に従ってくれる方がほとんどです。
(もちろんあからさまに否定するかもいますけどね・・・)
自分の考えと異なる業務をしているのに、
上司から感謝もされない、
何の反応も示してくれないと感じてしまえば、
だんだんとあなたの指示に従わなくなることもあります。
どんな小さなことでも「ありがとう」と伝えましょう。
感謝されて気を悪くする人はいないはずです。
少しでも気持ちよく働いてもらえる雰囲気を作るのも大事なあなたの役目です。
まとめ
どんな役職でも初めてであれば、
不安もあるし自分自身への期待もあることでしょう。
はやる気持ちは非常にわかりますが、
まずは深呼吸して少し自分を落ち着かせましょう。
まずあなたが行う行動は「あなた自身を知ってもらう」ことです。
あなた知ってもらいを理解されるまで、
時間はある程度かかることを頭の片隅に入れておいてください。
徐々に部下との距離感がちょっと縮まってきたと感じたなら、
ここからがあなたの本当の上司としてのスタートになります。