以前に人を変えることはできないというブログをあげました。
人が変わるのは本人の意思で行動したときのみで、
伝える側は「きっかけ」を与えることしかできないと書きました。
↓良かったら読んでください
今回は指示・伝達についての話をします。
伝える内容よりも大事な視点とは何か
他人の行動が変わるかは抜きにして、
業務上伝えなくてはならない指示は必ずあります。
この場合その人の考えや思想は関係なく、
兎にも角にもやってほしい行動、
やってほしい仕事内容を伝え実行してもらうことが求められます。
業務指示の場合は個人の思想は関係ないので、
こちらの指示通り動いてくれれば問題なのですが、
これはこれでうまく伝わらないこともしばしば。
「言ったとおりにやるだけなのに何でできないのか」
「簡単にできることなのに何で間違言えるのだ」
こんな経験ありますよね。
さすがに1回で理解してもらえるとは思わないにしても、
「せめて2~3回程度でわかってくれないかな・・・」
と感じている方も多いでしょう。
わかるまで説明するのは頭ではわかっていても、
さすがに10回も20回も言いたくはない。
同じことを何回も言うのはめんどくさいし、
こちらの気力や忍耐だって限りがあるわけで、
気持ちが切れてイライラしたり、
こちらの心がすり減ってしまうことだってあります。
「こんなに何回も伝えているのに何で伝わらないのだろう?」
もしこう感じているのなら、
少し視点を変えたほうがいいかもしれません。
もしかしたら今の視点があなた自身を苦しめていたり、
自分を必要以上に自分を追い込んでいるかもしれません。
この状態ではどんなに頑張っても空回りしてしまうでしょう。
ではどう視点を変えるのか。
自分が伝えたいことが相手に伝わらないではなく、
自分が伝えたいことが相手にどう伝わったのか
に変えてみてください。
もちろん伝え方(方法論)も大事ではあるのですが、
もっと大事なのは「相手にどう伝わったか」です。
相手の理解度を必ず確認する
伝えることに必死になりすぎると、
「あれも言ったのに、これも言ったのに、いつになったらわかってくれるの?」
ってなっていませんか。
実際に私もそうでした。
「何回言ってもあの人には伝わらない」
「自分の伝え方が悪いのだろうか」
こんなことばかり考えていました。
一生懸命な時ほどあれもこれもと詰め込みすぎる傾向になっていました。
相手への思いも強かったのでしょうが、
これではおそらくほとんど伝わっていないのが現状でした。
そしてなにより視点が自分においていることがまずい点だと後々に気が付きます。
抜け落ちていた点は、
相手の理解度を確認していなかった
という点です。
自分の伝えた内容がどう相手に伝わったのか、
これを確認することをしていなかったのです。
相手の視点で自分が伝えたことがどう認識されているのか、
これがとても重要です。
相手の認識がなければあなたの言葉は無意味なものになります。
重要なのは・・・方法論<相手の理解度
相手の伝え方はもちろん大事です。
私の場合、相手に物事を伝えるときは、
理論的に説明することを好みます。
この説明で相手が理解できればいいのですが、
そうではない場合も多々あります。
その時はまた同じような説明で相手を納得させようにも、
ほとんどうまくはいかないでしょう。
であればこちらのアプローチを変えるしかありません。
感情的に伝えたほうがよさそうならやってみるのもよし、
細かい指示を好まない人であれば結果だけ示すだけでも良し、
逆に細かく指示出さないと動かない方なら、
マニュアルを作ってその通りに行ってもらうのでもいい。
相手にとってどの方法が伝わりやすいのかをこちらが探るしかありません。
物事を伝えるには方法を変えるのも一つの手になります。
しかしもっと重要なことは相手の理解度です。
相手にどのように伝わっているのか確認が必要になります。
伝えた内容が相手にどう伝わったのか、
相手がどの程度理解しているのか、
相手につたるためには
「伝える→確認する→伝える→確認する・・・」
この繰り返しが必要なのです。
物事は伝わらなくて当たり前だと思うこと
相手の理解度を確認すると、
場合によってはほとんど伝わっていないことも多々あります。
しかし仮に伝えた内容のたった1~2割しか相手が理解できていなかったとしても、
あまり一喜一憂しないことです。
そもそも相手に自分の考えや思いを伝えること自体が非常に難しいからです。
むしろ1~2割の内容が伝わっただけでも御の字です。
なぜなら再度説明する際はこの1~2割の過程を省くことができるのですから。
「いやいやまだ8割も理解してもらうことがあるじゃないか」
と思うかもしれません。
しかし実際の理解度なんてそんなもんです。
今のPanasonic(当時は松下電気器具製作所)を創設した松下幸之助は、
部下への指示や指導について、
「夏の芝生の雑草取りのようなものだ」
と表現していたようです。
意味合いとしては以下の通りです。
部下への伝達は芝生の雑草を刈ることだと思いなさい
芝生の雑草は取ったとしてもまたすぐに生えてくる
だから一度取ればもう生えてこないというものではない
数日に1回、長くとも1週間に1回は雑草を取らなければ
芝生を維持することはできないのだ
後に経営の神様と言われた松下幸之助でさえも、
相手に物事を伝えるのは苦労していたのだとわかります。
何回も繰り返し相手に伝えていたこと、
つまり相手がどれほど理解しているのか、
相手にどう伝わっているのかを確認していたのではないでしょうか。
いくら説明しても理解してくれない
なんて気にしすぎてそこて思考や行動が止まってしまうくらいなら、
時間見つけてどう相手に伝わっていたのか、
何が理解されていないのか確認しに行ったほうが、
よっぽど効率的だと思います。
「何がどう伝わったのか」「どう理解されたのか」
を確認することが、
結果として物事を相手に伝える近道になると思います。
「そうはいっても伝わらないんです」
「もう何回も説明したんです」
よく相談されます。
実際に理解されないことは多いです。
よくわかります。
もしあなたがある程度根気よく対応したのであれば、
キッパリと諦めましょう。
だって、人はそうそう変わらないのですから。
少しでも参考になったら嬉しいです。