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薬価差益の問題を言うなら医薬品購入にかかる消費税を無くしなさい!

もう何年も前から問題視されている薬価差益の問題。
本来の医療行為とは関係ないところで利益を生むため、
医療費が増大していて何とか予算を抑えたい国から見れば、
確かに目の敵にされること自体は当然理解はできます。

しかしここ最近の薬価差益に対する、
ある意味「憎悪の塊」のような見解には非常に疑問を持っています。
むしろ国はあえてわかったうえで、
現状を全く無視して机上の空論を述べている気がしてなりません。

はっきり言えばもう薬価差益が出るどころか、
むしろ逆ザヤになるケースが増えてくるのではないかと感じています。

医薬品の購入で利益(薬価差益)は全く出ず、
むしろ薬価より高い仕入値(原価)で購入する時代がもうそこまで来ていると感じます。

薬価差益が減少している理由

何で薬価差益自体が無くなっていくと感じるのか。
理由は毎年の薬価改定(という名の薬価引き下げ)と消費税です。

ご存じの通り日本の医療は非課税扱いです。
薬局視点で考えると1枚当たりの処方箋単価の内訳は、
薬剤料と技術料に分かれますが、
患者から負担金として頂く料金は当然非課税ですから消費税はかかりません。

調剤の場合、技術料には原価はかかりませんが、
薬剤料は医薬品ですから原価はかかり卸から仕入れることになります。

この購入には薬局は卸に対して消費税を払うことになります。

つまり薬局は薬剤料に対して消費税を払っているにもかかわらず、
患者からは消費税をもらえない構図になっています。

もちろんこれには少しからくりがあり、
そもそも薬剤料には消費税込みの価格になっています。
もし1錠110円の医薬品であればその内訳は10円分が消費税に当たり、
100円が薬代(原価)となります。

これを聞くと、
「薬局が消費税を払っているだけでなくちゃんと患者からもらっているじゃないかと」
考える方がいますが、必ずしもそうにはなりません。

その理由は卸の入庫伝票に答えがあります。

見てほしいポイントは薬価からみていくらで仕入れたのか。
薬価に対して値入率はどれくらいなのかという点です。

おそらく多くの薬局では薬価を基準として値入率を決めていると思います。
私は今まで転職により4社経験していますが、
いずれも薬価を基準として値入率を決めていました。

実はこの薬価を基準とした値入率には要注意です。

例えば先ほどの薬価が1錠110円の薬を購入したとしましょう。
値入率は10%だとすると1錠の仕入れ値は99円です。

しかし薬局が卸から医薬品を購入する際は消費税がかかります。
なので実際の支払いは99円+消費税(9.9円)となり108.9円の仕入となります。
ですから値入率は10%でも実際の値引き幅は1円ほどにしかならないのです。

薬価改定による薬価の引き下げは薬局の資産価値(在庫資産)を下げる

「いや、確かに利益はほぼないけど逆ザヤでもないじゃないか」
と考える方もいると思いますが、これは完全な正解ではありません。

毎年の薬価改定による影響を考えなくてはなりません。

毎年行われる薬価改定の時期は4月になります。
3月末までは改定前の薬価で計算しますが、
4月になれば新薬価での計算となります。

先ほどの医薬品で考えると旧薬価は110円だったのが、
改定後の薬価が100円に下がったとします。
3月に在庫している医薬品は10%の値入で仕入れていますから108.9円の価値があります。しかし4月には薬価が100円に下がりますから、
報酬上の薬価の計算も同じく1錠100円で計算することになります。

もし3月の在庫を4月に調剤するとなると108.9円で仕入れた医薬品は、
薬価100円で計算するわけですから、
薬局にしてみれば1錠8.9円の逆ザヤとなります。

薬価改定による薬価の引き下げは、
単に処方箋の薬剤料に影響するだけでなく、
薬局に在庫している医薬品にも大きく影響するのです。
薬価改定の引き下げはそのまま薬局の資産の目減りになってしまうのです。

調剤に使えきれなかった医薬品の廃棄額も大きな痛手になる

それともう1つ考えるべき点は医薬品の廃棄です。
どの薬局でも医薬品の廃棄は出るはずです。

処方権は当然医師にあり薬剤師が勝手に決めることが出来ないため、
薬局はある程度在庫品目をそろえておかなくてはなりません。
もちろんきれいに在庫がなくなるのであれば良いのですが、
そんなうまい話はありません。

ましてや医薬品の1箱には錠剤であれば大抵100錠入り包装となります。
1人に1回30錠出ただけで、
その後誰にも処方されなければ70錠は廃棄です。

卸によっては小分け購入もありますが、
すべての医薬品に対応しているわけではありませんし、
何より小分けの仕入自体が逆ザヤになります。
少しでも値入を考えれば1箱発注が優先ですが、
とは言え廃棄リスクも背負うことになります。

薬価差益を考えるなら消費税をなくせ

薬価差益は薬局の利益になっていると声高々に言われていますが、
確かにこれは事実とはいえ以前ほど薬局に利益をもたらしているのかと言えば、
それは全く違うと思います。

もちろん規模の大きいチェーン薬局であればまだ有利な交渉はできるのでしょうけど、
中小薬局はそうはいきません。

私は仕事の関係で医薬品卸や製薬メーカーの方と話す機会がありますが、
それぞれ厳しい状況に立たされていると強く感じますし、
何より価格交渉が非常に渋いです。
ほんとに値引きが少ない・・・。

今後も薬価改定による薬価の引き下げが続き、
消費税の減税が行われないのであれば、
いっそのこと薬価で仕入れてもいいとさえ思えてきます。
ただその時は医薬品の購入には消費税を免除していただきたい。

薬価差要らないから薬価も下げるなと言いたい。
今までどんだけ薬局から資産を搾取してきたのだと大声で叫びたい。

 

とはいえ本当に薬価差益が無くなったら経営が厳しくなるのも事実なわけで、
経営の根本的な構造の変化が必要だなと考える毎日です。
いろいろ考えると悩ましいわ、
腹ただしさで心も頭もぐちゃぐちゃです。

薬剤料を減らしたいなら薬価収載品を減らせば良い

薬価差益を問題にされていますが、
実際の話薬価を下げて浮いた医療費を医科に振り分けているのも事実。
何で薬局だけが・・・といわけではなく、
もっと広い意味ではメーカーや卸を含めた薬業界が、
その補填元になっているのかがいつも腑に落ちない。
理由が政治力と言われてしまえばそのとおりなんですが・・・。

私の愚痴は横に置いたとして薬価収載の品目はもう調整していいと感じています。
簡単に言えばもっと減らせばいいのにと。

保険扱いできるから要らぬ薬も処方されているのは周知の事実です。
簡単に処方箋薬がジャンジャン出されていることを薬剤師は知っています。

本当に薬剤料が日本の医療費の足かせになっているのであれば、
品目の削減は至極まっとうな流れに思えます。

「この薬は本当に保険適用する必要があるのか」
といった感情をもっている薬剤師の方は多くいるのではないかと思いますけどね。

「もう処方箋で出すのではなくOTC扱いにすればいいのに・・・」
という思いは徐々に大きくなるばかりです。

実際にOTC化されれば、
製薬メーカーは非常に大打撃になることも承知はしてるのですが。

我々の代表団体の声が聞こえない・・・

あともう1つの愚痴。
この状況を見て何で薬剤師会はなんも言わないのかも疑問だし、
何かの対策しているかもよくわかりません。

かなりの薬局がピンチになろうとしているのに。

何らかの行動をしているなら良いのですがそんな雰囲気は全く感じない。
相変わらず存在感がない組織だなと感じている今日この頃・・・。

何のために高い会費払っているんだろうなって、
こういう状況が良くないときに動いてほしい。

普段は会員の薬局に大そうなこと言っているのですから、
内弁慶ではなくしっかりと外に向かって発言をしてくださいね、
薬剤師会のお偉いさん。

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