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JR新宿駅構内にある「クスリの販売機」を実際に使ってみた

現役薬剤師のta-sanです。
今のポジションは課長職。
現場目線よりも少し経営寄りな視点でダラダラ書きます。

 

JR新宿駅改札内に設置された「クスリの自販機」をご存じでしょうか。
5月31日よりOTCのリーディングカンパニーである大正製薬が行っている実証で、
「店舗ではなく自販機による医薬品の販売」
を期間限定で行っている企画です。

実際にJR新宿駅構内には自動販売機が設置されていて、
実際に一般医薬品を買うことが出来ます。

現在の法律では当然許可の下りた店内でしか、
医薬品販売を行うことはできません。
なぜそれが店外で、しかも自販機で販売できるのか、
どういった形式で販売を行っているのか、
実際に見に行っていました。

 

実際の写真はこちら

 

当たり前ですが見た目通り「普通の自動販売機」です。
タッチパネル式になっています。

 

ちなみに設置場所ですが、
JR新宿駅構内の南口改札口付近で、
ちょうど小田急線の乗換口の真ん前にあります。
とても人通りの多い位置に設置されています。

写真左にあるviewATMの隣にあるのが「クスリの販売機」の側面、
画面奥には南口改札があり、
写真ではわかりにくいですが右奥に小田急線の連絡口改札があります。

 

 

この実証についてですが、
大正製薬のHPを確認してみたところ、
経済産業省が中心となって行っている、
「グレーゾーン解消制度・プロジェクト型「規制のサンドボックス」・新事業特例制度>
の制度に基づいて行っているようです。

この制度の内容ですが、まあ簡単に言うと、
「今の規制を取っ払ってなんか新しいことやるなら手伝うぜ」
みたいな制度のようです。

 

「何言ってんだ、おまえ?」
という声が聞こえて来ましたので、
詳しく知りたい方は経済産業省などのHPで確認してください。
(丸投げとなりスイマセン・・・)

 

なお大正製薬のHPにプレスリリースされていますので、
その内容を張っておきます。

【大正製薬】JR新宿駅改札内にて、OTC販売機の実証を5月31日から開始

 

大分前置きが長くなりました。
さっそく自販機を使って商品を購入してみました。

 

自販機はタッチパネルになっており、
画面に触れるとまずは説明画面に映ります。

 

ここで「はい」に触れると商品選択の画面になります。
症状別で選択するか、
商品を直接選ぶかの2パターンで探すことが出来ます。

 

商品を選ぶと成分や使用上の注意が画面に表示されます。
今回は「ナロンエースT」を選んでいます。

 

上の画面で「はい」を押すと、
少し間が空き「内容を確認中しています」という画面になります。
(写真を撮り忘れてしまいました、スイマセン)
どうもこの時に店舗にいる有資格者が、
購入内容を確認しているようです。

ちなみに支払方法は電子マネーのみです。
まあ駅構内ですからほとんどの人がSUICAあるでしょうから問題ないでしょう。

 

 

商品を取り出した際に、
すこしひんやりしていました。
温度管理がされているようです。

価格ですが・・・711円、安くはないですね。
普通にドラックストアで購入したほうが断然安いでしょう。

 

先ほどの説明の中で、
購入内容を確認している旨を書きましたが、
自販機の目の前にある店舗スタッフが確認しているようです。

 

Eki RESQ 新宿南口店

 

 

 

ここからは使ってみた感想になります。
あらためてこの実証の内容を整理します。

実証概要

・設置場所 : JR 新宿駅 ドラッグストア Eki RESQ 新宿南口店 付近
・実証期間 : 2022 年 5 月 31 日(火) ~ 2022 年 8 月 31 日(水)
・販売時間 : 上記店舗の営業時間内(実証開始時:10:00 ~ 18:00)
・取扱商品 : 大正製薬製品のうち、第 2 類医薬品、第 3 類医薬品及び医薬部外品

(大正製薬HPより)

 

購入方法はいたって簡単です。
自販機でペットボトルを買うのと全く一緒です。

ただし稼働時間が正直短すぎると感じました。
試験運用なのでしょうがないのでしょうが、
上にもある通り10:00~18:00となっており、
日中の時間帯でしか利用できない状況です。

新宿駅を利用されている方はわかると思いましが、
設置場所前はものすごい人通りがあります。
それだけで購入機会が増えることは間違いなのですが、
この時間帯で医薬品を購入しようとするのなら、
単にドラックストアを利用すると思います。

新宿駅であれば通勤ラッシュ時間帯は、
利用できたほうがいいかなと思いました。

実際に1時間ほど自販機を眺めていましたが、
利用者はたった1名でした。
しかも同じ同業者のにおいがしました・・・。
(妙に動きが怪しかったので)

まあ認知されていない点も大きく影響しているとは思います。

あとは商品数の少なさ・・・、
大正製薬の商品しかラインナップされていませんからね。
もちろん大正製薬の実証ですからしょうがないのですけど。

 

とはいえ少し今後の拡大の可能性を感じることもできました。
パッと思いついた2点をあげてみます。

郊外地域の設置

地域によっては「買物難民」になってしまう方たちが多くいます。
近くにドラックストアや調剤薬局がない地域であれば、
それなりの需要があると思います。

設置場所は・・・、なかなか難しいかもしれないですね。
セキュリティー対策が必要なりますので。

バス停付近なのか、公民館などの施設内がいいのか、
コンビニ内でもいいかもしれません。
いろんな人の意見を聞いてみたいですね。

 

老人ホームなどの高齢者施設

在宅業務をしていたころ、
患者さんのちょっとした体調変化により、
薬を届けるケースが多くありました。
ケースで考えると症状は発熱や咳などの感冒症状も多くあります。

あらかじめ患者さんが予備を持っていなければ緊急配送となりました。
「施設に薬をストックできればな・・・」
なんてよく感じたものです。

もちろんOTCですから保険適用にはなりませんが、
その場ですぐ使いたいというニーズには答えれると思います。
また在宅に特化した介護施設でなくでも、
一般の集合住宅には高齢者入居率の非常に高いケースも多く存在します。
そういう場所に設置することが出来れば、
薬をその場で使うことができ、
かつ薬局の配送負担も減らせるのではないかなと感じました。

 

 

いかがだったでしょうか。
もし興味のある方はぜひ利用してみてください。
またこの自販機についての利用活路など、
意見を頂けたらとてもうれしいです。

あとは「規制のサンドボックス」制度というのを、
今回初めて知りました。
もしかしたら別の内容で利用できるかもしれないなと。

 

少しでも参考になったら嬉しいです。

 

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