相手に何かを説明したり、
考えていることを伝えたりする際に、
何に気をつけているでしょうか。
付き合いが長い友人や仕事仲間は勿論のこと、
一緒に暮らしている家族相手だとしても、
意外と物事が伝わっていなかったという経験多いと思います。
理由の一つに日本語の表現の単語の多さがあるのかもしれません。
例えば仕事での作業が考えていたより時間がかかったときの表現として、
- 多くの時間を費やした
- 長い時間がかかった
- 凄く時間がかかった
- 予想よりも時間がかかった
- かかった時間がやばかった
- かなり時間がかかった
- なんだかんだで時間がかかった
ちょっとムリクリな文章もありますが、
まあ、あげればきりがないと思います。
文面を見たり会話の中の語句から判断すれば、
おそらく時間のかかる作業だったんだろうなということは伝わりますが、
ただここで言う「かかった時間」自体がどれほどだったのか、
ということが全くわかりません。
30分なのか、1時間なのか、
1日なのか、1週間なのか、
正確には伝わっていません。
私は仕事柄、社内店舗をよく巡回するのですが、
その際に店舗スタッフと会話をすることがあります。
業務内容を話す際に、
「昨日はお客さんが多くて結構忙しかったんですよ」とか、
「今週は意外と客数が少なくて残業をあまりしていません」とか
「今月の売上はちょっとやばいかもしれないですね」とか
おそらく話した本人は伝えているつもりだとは認識しています。
ですが私からしたらよく分からなくて、
私の頭の中はこんな感じです。
「昨日はお客さんが多くて結構忙しかったんですよ」
お客さんが多くて→何人来たの?
「今週は意外と客数が少なくて残業をあまりしていません」
意外と客数が少ない→同じく何人?
残業をあまりしていない→時間で答えてくれる?
「今月の売上はちょっとやばいかもしれないですね」
売上がやばい→売上が少なくてやばいの?それとも高いから?
なんとなくニュアンスは伝わるけど、
結局は具体的にイメージが出来ないんですよね。
なぜニュアンスしか伝わらないのかの理由は簡単で、
お互いに同じ価値観をもって表現していないからです。
客数が少ないと言ったとしても、
少ない基準は人それぞれです。
職種や業態によっても客数の概念が異なりますので、
客数が50人で少ないと考える人もいれば、
1,000人で考える方もいるはずです。
(コンビニと自動車販売店の1日の客数は全く違いますよね)
個々の感覚としての価値観が全く異なるのは当然の話です。
もしお互いに予め基準の客数を決めていたのなら、
伝えたい内容の正確性がぐっと上がります。
例えばA店舗の1日平均客数の基準を100人だとします。
そのうえで客数が少なかったと言えば、
95人なのか80人なのかわからないけれども、
少なくとも100人は達成できていないことが伝わります。
客数が150人だとか1000人だとかを想像する人はいないはずです。
同じ価値観をそれぞれ持つことで、
相手により正確に情報を伝えることが出来るのです。
とはいえ全ての言葉のニュアンスの基準を作ることは不可能です。
いちいち相手に確認することが出来ないし、
ましてや初めてあった方の価値観なんて、
確認の使用がありません。
ではどうすればよいのか。
すでに答えが出てはいますが・・・。
それは数字を使うのです。
なぜ数字を使うのが効果的かというと
数字は価値そのものを表すからです。
先ほどの文章をかえてみると・・・
昨日はお客さんが多くて結構忙しかったんですよ
昨日は150人のお客さんが来たので結構忙しかったんですよ
文章のイメージが変わったと思います。
より正確に相手に伝わりませんか。
繰り返しになりますが、
忙しいの基準は個人ごとに全く異なります。
何人のお客さんで多い・少ないと思うかは環境によっても異なります。
ですが150人のお客さんと言えば、
この数字自体は誰にとっても150人なわけです。
つまり数字は誰しもが判断できる価値を持っているといえます。
数字の価値は世界どこへ行っても万国共通です。
国が違っても、言語が違っても、
性別が違っても、年齢が離れていても、
150人は150人なんです。
「俺にとっての150人はみんなにとっての200人だ」
なんて考える人いないですよね。
数字を使うことで相手に物事が伝わりやすくなること、
理解いただけたでしょうか。
言葉だけでの伝達は、
あなたがか考えているほど正確に伝わっていません。
同じ価値を共有できる数字は非常に優れたツールとなります。
そして何も仕事上の会話だけでなく、
普段の会話だったりSNSのコメントにもとても役立ちますし、
お子さんが数字を習っているのならお子さんとの会話でも重宝しますよ。
お子さんがまだ小さいとなかなか伝わらないこと多いですよね。
こんな会話していませんか?
(当時まだ幼稚園児だった子供との会話のほんの一例です)
嫁:「歯磨いたの?」
娘:「磨いたよ」
嫁:「ほんと?ちゃんと磨いてないでしょ?」
娘:「ちゃんと磨いたもん」
嫁:「やってないじゃないの、さっき始めてから時間たっていないじゃない」
娘:「ちゃんとやったもん」
嫁:「もう一回磨いてきなさい」
娘:「ちゃんとやったからもうやらない」
ここで「ちゃんと歯を磨く」の基準が、
母娘で一致していないのでお互いに納得できていないんですよね。
でも子供が時間の概念を覚えてからは、
私は娘にこういうようにしました。
「今から5分磨こうね。時計を見ながら磨いてね」
5分という基準を伝えることで、たかし
当時幼稚園児だった娘にもちゃんと伝わりました。
数字を使うとホント便利だと思います。
ぜひ日常会話にも取り入れてみてはいかがでしょうか。