働き方の話

薬局長になったら知っておきたいマネジメントの基本とは~第3回~

薬局長として日々の業務をこなす中で、
「このままでいいのだろうか」「もっと成長しなければ」
と感じることはありませんか?
リーダーとして周囲を導くには、
まず自分自身が一歩ずつ成長していく意識が欠かせません。

この第3回では薬局長として成長するために、
私が実際に大切にしている3つの視点をご紹介します。
どれも特別なスキルや経験がなくても、明日から意識できることばかりです。
今より少し前向きに、自信を持って進むヒントになれば幸いです。

薬局長として成長するために意識しておきたい3つの視点

自分の「強みと弱み」を把握しておく

薬局長という立場は、
すべてを完璧にこなす万能な存在である必要はありません。
むしろ自分自身の強みと弱みを正しく理解し、
それをどう活かしどう補っていくかが大切です。

たとえばコミュニケーションが得意であれば、
部下との信頼関係構築に注力できるでしょう。
一方で業務改善が苦手だと感じるなら、
得意なスタッフの意見を取り入れたり、
他店舗の事例を学ぶといった工夫ができます。

「苦手=ダメ」ではなく、
「自分らしいやり方で役割を果たす」という視点を持つことで、
無理のないマネジメントが可能になります。
まずは自分の得意なこと・苦手なことを、
紙に書き出してみるのもおすすめです。
冷静に自分を見つめることが薬局長としての成長の第一歩になるはずです。

できない自分を見せる勇気も、薬局長の大切な力
「苦手なことを隠したい」「全部自分でやらなければ」と思うのは、
薬局長になったばかりの頃によくある心境です。
でも無理にかっこつける必要はありません。
むしろ自分の弱みを素直に認めて、
周囲に頼る姿勢のほうが人としての器の大きさを感じさせます。

たとえば、
「ここはちょっと苦手だから手伝ってもらってもいい?」
と素直にお願いし、終わった後に
「本当に助かった、ありがとう」と伝える。
たったそれだけでスタッフは、
「信頼されている」「役に立てた」と感じ、
関係性もぐっと深まります。

完璧な上司を演じるよりも等身大の自分を見せること。
それが部下にとって
「話しやすく、頼りになる薬局長」として映る近道になるのです。

薬局長として目指すべき目標を明確にする

薬局長という役職に就くと日々の業務に追われ、
「今やるべきこと」に意識が向きがちです。
もちろん現場を回すことも大切ですが、
もう一つ持っておきたい視点があります。

薬局長という役割を理解すること。

そのうえで自分自身にどんな薬局長になりたいのかという目標を持つことです。

たとえば…

  • 部下から信頼される薬局長になりたい
  • 育成に力を入れて人材を伸ばす薬局長でありたい
  • 数字を伸ばして組織に貢献したい

どんな内容でもかまいません。
大切なのは「目の前の仕事をこなす」だけでなく、
薬局長の役割を果たしつつ、
「自分がなりたい薬局長」に向けて日々を積み重ねるという意識です。

目標を明確にすることで、
「今やっている仕事はその目標につながっているか?」
「理想に近づくためには何が足りないのか?」
という視点が自然と芽生え目指すべき方向がブレなくなります。

出来ればぜひ目標を言語化してみてください。
あなたがふと迷った時に、
自分を見つめ直す原点にもなるのではないでしょうか。

経験を成長に変える視点を持つ

薬局長として働いていると、うまくいったことよりも
「うまくいかなかったこと」や「失敗したこと」の方が記憶に残るものです。
でも実はそのうまくいかなかった経験こそが、
あなたを大きく成長させてくれる材料になります。

たとえば…

  • 指示がうまく伝わらず、スタッフが混乱してしまった
  • 注意したつもりが、かえって関係がぎくしゃくしてしまった
  • 目標を掲げたけど、まったく達成できなかった

こうした経験は決して「ダメな薬局長」の証ではありません。
むしろそこから「次はどうするか?」と考えた時点で、
それは学びに変わるのです。

そして忘れてはいけないのは、
あなたがしてきたすべての経験には「価値」があるということ。
小さな成功も大きな失敗も、スタッフとの何気ないやり取りも——
全てがあなたのマネジメントスタイルを形づくるヒントになります。

薬局長としての経験に無駄なものはひとつもありません。

だからこそ失敗を恐れずに、
目の前の出来事に正面から向き合ってください。
そして時には立ち止まり、
「あのときの経験から何を学べたか?」を振り返ってみてください。

あなたのその積み重ねこそが薬局長としての「厚み」になり、
やがて後輩たちにとっても頼れる存在へとつながっていくはずです。

まとめ|薬局長の不安を乗り越え、信頼されるリーダーへ

不安や失敗は当たり前、小さな一歩でも継続する力をつける

薬局長になったばかりのときは、
誰でも不安やプレッシャーを感じるものです。
「この判断で良かったのか」
「部下との距離がつかめない」
「思うように成果が出ない」
どれも経験したからこそ抱く自然な感情です。

大切なのは「完璧にやろう」と思いすぎないこと
失敗してもいい、迷ってもいい。
でも立ち止まらずに小さくても一歩を踏み出す。
その継続する力が信頼される薬局長への近道です。

「理想の薬局長像」は、あなた自身がつくる

「理想の上司」や「立派な薬局長像」は、
どこかにある正解ではありません。
あなたのこれまでの経験や考え方、
人との関わりの中で形づくられていくものです。

他人のやり方を真似するのもひとつの方法ですが、
最後は「自分がなりたい薬局長像」を持つことが、
長く続く信頼につながります

正解がないからこそ、
あなたが積み重ねる日々が唯一無二のリーダー像をつくっていくのです。

次の世代に伝えられる“上司”になろう

薬局長の役割は、目の前の業務をこなすことだけではありません。
あなたの背中を見ている部下たちに、
「この人のようになりたい」と思ってもらえることこそ、
上司としての大きな価値です。

あなたがこれまで悩み乗り越えてきた経験は、
次の世代にとって大切な学びになります。
そうやってリーダーの想いが受け継がれていくことが、
組織にとっても薬局にとっても大きな財産です。

だからこそ焦らず恐れず、
自分なりの歩みを大切にしてください。
あなたが積み上げる一歩一歩が、
やがて多くの人を導く道しるべとなるはずです。

 

薬局長という立場に最初から自信を持てる人はいません。
だからこそ悩むこと・迷うこと・立ち止まることすべてが成長の証です。

あなたは今、薬局というチームの舵を取る立場にいます。
その責任の重さに押しつぶされそうになる日もあるでしょう。
でもあなたにしかできない関わり方・支え方が必ずあります。

等身大のあなたで構いません。
一歩ずつ進みながらあなた自身の「理想の薬局長像」を、
これから築いていってください。

 

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