働き方の話

「どうせ言ったって無駄」と思ってませんか?意見を言う人も実は怖いという話です

「言いたいことはあるけれど、何言っていいのかわからない」
「何か違うと思うけど…。今それを口にしても意味あるのかな」

会議などで意見を言う前にグッと飲み込んでしまった経験はありませんか?

会議や日常のちょっとした場面でも、
意見を出すのは簡単なことではありません。
「自分の感覚が違うのかも」
「否定されたらどうしよう」
「空気が悪くなったら・・・」
と、つい「何も言わない方がラク」と感じてしまうのも無理はありません。

ましてや、
「自分の意見を言える人はすごいな」
「あんなふうに発言なんてできないよ」
そう思ってしまうこともあるでしょう。

しかし一見当たり前のように意見している人たちも、
毎回スラスラ言えているわけではないのです

あなたと同じように「怖い」「間違ってるかも」という不安を抱えながら、
それでも伝えようと勇気を振り絞っているのです。

このブログでは「意見を言えない」ことを責めるつもりは全くなく、
なぜ言えないのか、
そして言う側の本音にはどんな葛藤があるのか
の視点で伝えていきます。

「言わない自分はダメなんだ」なんて思う必要はありません。
少しだけ視点を変えてみませんか?

「意見を言えないこと」ということは何を意味するのか

例えばある会議で「自分の意見を言えなかった」と悩むことがあった時、
つい「自分はダメだ」と落ち込んで、
少し自分を追い詰めた経験はありませんか。
一旦落ち着いて少し視点を変えてみましょう。

実は「意見を言いたい」と思った時点で、
すでにあなたの中には何らかの気づきが生まれています。
そしてそれは他の誰かが気づいていないかもしれない、
あなただけの視点かもしれません。

意見を言おうとしている時点で、あなたには気づきがある

「意見を言いたい」と感じるのは、
会議や話し合いの内容に対して違和感を覚えたり、
もっとよくしたいという思いがあるからこそではないでしょうか。

これはとても重要なことです。
なぜならあなたは、ただ何となく会議に参加しているだけの人ではなく、
当事者意識を持って物事を見ている人だという証拠だからです。

「このままでは悪い方向に進んでしまうかも」
「こうすればもっと良くなるかも」
そんな小さな違和感や気づきは、
実は会議やチームにとって大きなヒントになることが多々あります。

これはとても前向きなことであり、
発言していないからといって、
会議に参加する意味がないということではないし、
むしろ大いに参加している意義のある存在だということを忘れないでください。

物事を感じる力があるからこその気づきは、何よりも貴重

会議の中で何かを感じとるということは、
それだけ周囲をよく見ていて、
物事を立体的に捉える感覚が備わっているということです。

あなたのように誰もが同じように気づけるわけではありません。
だからこそあなたの感覚はその場の盲点を見つける貴重な視点なのです。

そしてもう一つ、
実はあなたが感じた違和感は、
他の参加者も同じように感じているケースが少なくありません。
ただ周囲もそれを言葉にできずに、
内に秘めたまま終わってしまっているだけなのです。

こんな経験はありませんか?
会議が終わった後の雑談で、
「実は俺も同じことを感じてた」
「言おうか迷ってたんだよね」
――そんな会話を交わしたことはありませんか?

あなたの中に生まれた、
「何かおかしい」「何か変えたい」という感覚。
これはもしかしたら誰かの心にも同じように存在しているかもしれないのです。

だからこそ、あなたのその違和感や気づきはとても価値があります
もっと自分に自信を持っていいんですよ。

他人には感じない、あなたしかわからない感覚は必ずある

会議の参加者にはそれぞれ異なる役割や立場があります。
例えば部長や課長などの管理職もいれば、
入社間もない若手社員もいるでしょう。

また社員一人ひとりの経験や価値観、思考のクセも違います。
当然同じ話を聞いていても、
見える景色や感じることは人によって異なるのが自然です。

つまり、会議やチームの中であなたがどんな立ち位置であっても、
「あなたにしかわからない感覚」や「あなたにしか見えていないこと」が、
必ずあるのです。

もちろんあなたと同じ視点を誰かが待っていることもあるでしょう。
でもあなたが言葉にするまで誰も気づかないまま、
会議が終わってしまうことだってあるのです。

そのチームにおいて全員が同じことを考えているわけでないからこそ、
あなたの意見は貴重なものになります。
迷った時は、
「これ、伝えてもいいかな…」と少しでも思った時点で、
それはもう立派な意見です。
十分に価値あるものだと自覚していいのです。

「意見を言えない」あなたの気持ちは、間違っていない

意見を言えなかった自分に対して、
「また言えなかった…」
「自分はダメだ」と感じていませんか?
でもそんな風に感じる必要は全くありません。
意見を言うことはものすごくパワーがいることだからです

言いたいけど言えない…その葛藤は当たり前のこと

一旦立ち止まりましょう。
あなたが参加している会議や
ミーテングのメンバーと立ち位置を思い出してください。

おそらくあなたのまわりには自分よりも、
役職や経験のある人が多くいるのではないでしょうか。
(これは決してあなたが劣っているという意味ではありません)

当然ですが立ち位置が上の方に対して、
意見を言うのはものすごく勇気がいることです。
意見を言いたい気持ちがあっても、
言葉にするのは簡単ではありません。

自分の考えが正しいのか誰だって不安になります。
ましてやその場の空気を乱したくない、
周りの反応が気になる・・・
真面目な方であればあるほどハードルは高くなることでしょう。

でもそれは決して「あなたが無能だから」ではありません。
むしろ、的確な視点を持っているからこそ慎重になる、
優れた観察力と配慮のある人なのです。

そして今のあなたはまさに
「飛べるのにまだ飛べない小鳥」のような状態かもしれません。
すでに羽ばたける力がある。
けれど、怖さや迷いから巣の中にとどまっている――
そう、あなたはもう飛べる準備ができているのです。

 「否定されたら怖い」「無駄かも」と思うのは自然な感情

意見を言ったときに、
「それ違うよ」
「そんなの無理だよ」
と返されたら、やっぱり怖いですよね。
またせっかく勇気を出して言ったことがスルーされたら、
「なんだったんだろう…」と落ち込むことでしょう。
この「怖さ」「無駄になるかも」という不安はごく自然な感情です。

それだけあなたが本気で向き合っている証拠でもあります。
だから「自分はちゃんと意見を言えた」と褒めていいんです。

ここで少し視点を変えてみましょう。
たとえば、あなたの意見が否定されたように見えたとしても、
それは必ずしも「あなたが間違っていたから」ではありません。

実は、相手(特にあなたより上の立場の人)が、
図星を突かれて反射的に否定的な反応をしてしまった
というケースもよくあります。

つまり「正しいけど耳が痛い」――
だからこそ冷たく返したり、
無視するような態度をとってしまうことがよくあるのです。

私自身、かつて会議でズバッと発言したあと、
上司に強く否定された経験があります。
へこんで落ち込んでいるときに、別の人に
「お前があまりにも核心を突くから、部長が怒っちまったじゃねえか。
場の雰囲気壊しやがって(笑)」
とフォローされ、
「ちゃんと見てくれてる人はいるんだ」と気づかされたことがありました。

だから落ち込まなくて大丈夫です。
見てくれている人は必ずいます。
そしてあなたの発言には、
必ず誰かの心に響いている部分があるのです。

実は発言している人も毎回こわいと思っている

私はどちらかというと会議でよく意見を言うほうです。
というより「意識して」意見を言おうと決めている、
という表現が正しいかもしれません。
(この理由は後ほど伝えます)

今の私は管理職の一人なので会議の相手は社長や取締役など経営陣が主になります。
はっきり言います。メチャクチャ怖いです。
一見、堂々と発言しているように見えるかもしれませんが、
心の中では「大丈夫かな…」「変に思われないかな…」と、
不安でいっぱいになることも多いです。

あなたと気持ちは同じです。
ドキドキしながら発言しているのです。

それでもなぜ、毎回発言しようと思うのか。
それは「できるだけ良い結果を出したい」と思うからこそ。

せっかく自分の時間を使って会議に参加しているのだから、
意味のある場にしたいと考えているからです。

もう一度言います。
ここまで大そうなことを伝えてきましたが、私も同じです。

やっぱり怖いのです。

あなたの周りの方もきっと同じ気持ちを抱えていますよ。
だからあなたもちょっとだけ勇気を出してみませんか。

会議で意見を言うようになったきっかけ

私が30歳の頃のことです。
現場スタッフから本社勤務に異動になり、
いくつものプロジェクト会議に参加するようになりました。

でも最初のころは全く発言できませんでした。

ある日、当時の上司にこう言われました。
>「意見がないなら、会議に出なくていい」

驚きました。その後続けてこう言われたのです。
> 「会議そのものは何も利益を生まない。ただ人件費がかかるだけだ。」
> 「 だからこそ、参加する一人ひとりが意味ある時間にしないといけない。」
> 「君は何も発言しない。ならば参加する意味がない」

この言葉が私の意識を変えてくれました。
少しずつ会議で意見を言えるようになったのは、
その助言がきっかけです。
今でも、この言葉は私の中で大切な原点になっています。

なぜ怖くても「言おう」と思うのか?“言う側”の3つの本音

会議で意見を言う人に対して、
「堂々としていてすごいな」と感じたことはありませんか?
でも、実際のところは違います。
前の章でもお伝えしたように、
発言する人も怖さや不安を感じながら意見を伝えています。

それでもなぜ「言おう」と思うのか?
その背景には単なる正義感や承認欲求ではないもっと素直な本音があるのです。
ここでは実際に発言をしている人たちが心の中で思っている、
3つのリアルな理由を紹介します。

毎回うまく言えるわけじゃない、それでも伝える理由

先にも書きましたが、意見を言う理由はいたってシンプルです。
会議や話し合いの場を有意義な時間にしたいという想いがあるからです。

「うまく伝えたい」
「かっこいいことを言いたい」なんてことではありません。
考えてみてください。
私もそうですがそれぞれ忙しい業務の合間を縫って、
貴重な時間を使って会議に参加しています。
せっかく時間を使っているのに、
意味のない時間だったらもったいないと思いませんか。
だからこそ何かを変えるために、真剣に言葉を発するのです。

表現はうまくないこともあるでしょうが、
目的はそこではありません。
何度も伝えます。
会議では意見をうまく言うことが目的ではなく、
有意義な内容にするのが目的です。

だからこそ自分の想いを伝えるのが必要ではないかと考えるのです。

ちなみに…
何の意義も感じられない会議、ありませんか?
私は正直、そういう場は苦手です。
だからこれまでに何度か「この会議って必要ですか?」と聞いて、
ひんしゅくを買ったり、叱られたりもしました。

でもこういう感覚はとても大切だったと思います。
「変だな」と感じたら伝えてみる。
それが場を前進させる最初の一歩になるのだと私は考えるのです。

「あなたの的外れ」意見と「周りの的外れ」意見は必ずしも合致しない

「こんなこと言ったら的外れと思われるかも…」と心配になりますよね。
でもそれはあなた自身の基準でしかありません。

実際には、
自分では浅いと思った意見が「鋭い視点だね」と評価されたり、
「誰でも考えつきそう」と思ったアイデアが、
意外と他の人の盲点になっていることもあります。

あなたの感覚や感性はあなたしか感じることのないものなのです。
意見の正しさや価値なんて、
あなた自身の考えだけでは測りきれないのです。

そもそもまだ意見を言っていないのに、
「的外れかもしれないから言わない」なんて感じるのですか?
それこそ考えすぎです。
いうほど周りはあなたのことなんて認識していないことも多くありますよ。

「自分の感覚はあっているのか」、意見することで自分の判断の物差しを探る

意見を言うというのは、誰かを説得するためだけの行為ではありません。
「自分はこう思っているけれど、それってズレてないかな?」
そんな風に、自分の感覚や価値観を確かめるための行動でもあるのです。

例えば・・・

・意見を言うことで、他の人とのギャップを知ることができる
・口に出すことで、自分の考えが整理されていく
・他者の反応を通して、自分の認識が合っているかを確かめられる

このように会議やミーティングで発言することには、
自分の考えを言語化し、再確認する」という効果があります。
仮に他の人と意見が合わなかったとしても、
違いを知ることができればそれは十分に意味のある発言です。

また一度声を出してみると、
不思議と次も発言しやすくなるものです。
もちろん怖さがゼロになるわけではありません。
それでも「怖いけど言ってみる」を重ねることで、
そのハードルは少しずつ低くなっていきます。

だからこそ、怖さを感じたとしても――
「一度、言ってみようかな」と思ってもらいたいのです。

「意見を言えない自分はダメなのかもしれない」
そんなふうに思ってしまうこと、
きっと誰しも一度はあるはずです。

 

でもここまで読んでくださったあなたは大事なことに気づいているはず。
言えなかったことよりも、
「言おうと思ったこと」こそがすでに価値ある一歩なのだと。

意見を持つということは、

・ 周囲をよく見ている
・ 何かに違和感を覚えた
・ より良くしたいと思った

その前向きな感覚があるという証拠です。

そしてあなたの周りにいるよく意見を言う人も、
決して自信満々で発言しているわけではありません。
私たちは皆、怖さや不安を抱えながら、
それでも「伝えたい」と思う気持ちを大切にしているのです。

第2部ではそんなあなたが
「少しだけ言ってみる」ためのヒントをお伝えしていきます。
言いたい気持ちがあるからこそ、
その声を他の方に伝えてみませんか。

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