「意見を言うのは怖い」――
そう感じるのは、あなただけではありません。
けれどもちょっと思い浮かべてください。
誰かの一言で会議の空気が変わったり、
前向きな動きが生まれた経験はないでしょうか?
もしかしたらあなたの声にもこんな力があるかもしれません。
この第二部では、
「少しだけ自分の意見を言ってみようかな」と思ったあなたに向けて、
なぜ「あなたの声」が価値あるのか、
そして怖さと向き合いながらできる小さな工夫についてお話ししていきます。
あなたの中にも「伝えたい何か」はあるはず

「どうせ言っても無駄かも・・・」
「否定されるのが怖い・・・」
そう感じるのは自然なことです。
でも心のどこかに、
「何か違う気がする」
「こうした方がいいのでは」
という思いが少しでも浮かんだなら、
それはもう伝えたい何かがあなたの中にある証拠です。
そしてその感覚はもしかしたらあなたしか気が付いていないことかもしれません。
であれば伝える価値は十分にあると思いませんか。
そもそも無駄かもしれないと思える時点で、意識が高い証拠
「どうせ変わらない」「言っても意味がない」
――そんなふうに思ってしまうこともありますよね。
でもそう感じている時点で、
あなたはすでにもっとよくしたいという意識を持っているのです。
これは本当に大切なことです。
なぜなら会議に参加している全員が、
同じように問題意識を持っているわけではありません。
そもそも何も考えていなければ、
「言うかどうか」で悩むことすらないのです。
私から言わせてもらえば「無駄な意見」なんて存在しません。
むしろ「無駄かもしれない」と感じるその気持ちこそが、
前向きに向き合っている証なのです。
その思いを、自分で否定しないでください。
むしろ「自分はちゃんと気づけてる」「よく観察してるな」と、
自分を認めてあげてほしいのです。
その視点はきっと誰かの力になっているはずです。
何も提案だけが意見じゃない、疑問点をクリアするための質問も重要
「ちゃんとした意見じゃないとダメ」と思っていませんか?
でも実はちょっとした疑問や確認の質問も立派な発言になります。
それは誰かが見落としていた視点を補うきっかけになったり、
議論の方向性を整理する助けになるのです。
例えば「今の提案って、こういう意味ですか?」という一言だけでも、
その場にとってとても意味のある問いになります。
なぜならその質問によって全員の認識が揃ったり、
あいまいな部分が明確になるからです。
自分と他の人の受け取り方の違いに気づくきっかけにもなるでしょう。
完璧な表現である必要はありません。
文法が少しおかしくても伝える中身に価値があります。
「問いかけること自体に意味がある」――
そのことをどうか忘れないでください。
「うまく・きれいに言おう」ではなく「あなたの言葉」で大丈夫
完璧な言い回しや正しい表現をしなきゃいけない・・・
そう思っていませんか?
でも本当に大事なのは「うまく話すこと」ではなく、
あなたの感覚をあなたの言葉で伝えることです。
多少言葉に詰まっても、言葉に迷っても大丈夫です。
誠実に伝えようとする気持ちは、
表情や声のトーン、身ぶりなどを通じてきっと相手に届きます。
むしろ完璧すぎる言葉よりも、
素直な言葉のほうが心に響くことがよくあります。
「上手く話さなきゃ」と気負わずに、
「今、自分がどう感じているか」をそのまま言葉にしてみてください。
それだけで十分に価値ある発言になるのです。
少しだけ言ってみよう|怖さと向き合うための小さな3つの工夫
意見を言うのが怖いのはあなただけではありません。
でもほんの少しだけ視点を変えることで、
第一歩が踏み出しやすくなることもあります。
ここでは「怖さ」とうまく付き合いながら発言するための、
3つの小さな工夫をご紹介します。
自分の感覚と他人の感覚は「違って当たり前」と理解する
「自分だけが変なことを感じてるんじゃ…」と思うと、
発言にためらいが出ます。
でもあなたと他人との感覚が違うのは当たり前なのです。
もちろん大筋の個所は誰もが共通認識であるかもしれません。
しかし人はそれぞれ立場も経験も価値観も違います。
物事を掘り下げれば掘り下げるほど、
個々の違いが出てくるものです。
だからこそあなたの視点は他の人にとっての気づきになる可能性があるのです。
「自分だけが変なんじゃなくて、みんな違って当たり前」
この前提を持つことで発言することへの不安が少し和らぎませんか。
怖さは無理に「克服」しなくていい 誰もが怖さを抱えて発言している
「この怖さを乗り越えなきゃ」と思うと、
それ自体がさらにプレッシャーになってしまいます。
でも実は怖さを消す必要なんてないのです。
第一部でもお伝えしましたが、私だって怖いと感じます。
程度の差はあっても、
きっと誰だって発言のときには多少なりとも緊張しています。
怖くてもいいから話す。
ドキドキしてもいいから伝える。
それで十分なんです。
誰だって上司や他人の前で話すのは怖いもの。
だからこそ「怖いままで一歩踏み出す」ことに意味があります。
ほんの少しの勇気で言葉にできたら、
あなたの世界は今より少しだけ広がるかもしれませんよ。
「わからなかったこと」を聞くのも立派な発言
「意見らしい意見じゃないとダメ」と思っていませんか?
でも立派な提案や鋭い指摘だけが発言ではありません。
それでもなかなか発言するのが難しいのであれば、
まずは自分が感じた疑問点を言うことから始めてみませんか。
「あの部分、少しよく分からなかったのですが…」と聞くことも、
「ちょっと理解が出来なくて…」と聞くことも、
会議の流れを整える大事な一言です。
質問することで他の人の理解も深まるかもしれませんし、
進行役にとっては理解度の確認になる貴重なフィードバックにもなります。
つまり「発言する=立派な提案」でなくていいのです。
あなたが感じた「ひっかかり」や「違和感」を口にすること自体が、
会議にとっての貴重な価値になるのです。
まとめ 「言いたい」と思ったその気持ちを大切にしてほしい
「意見が無駄」じゃなく「思った時点で価値がある」

「どうせ変わらない」
「言ったところで何も変わらない」
そんなふうに思うと言葉を飲み込みたくなってしまいます。
でも変えたいと感じた気持ちや引っかかりに気づいた感覚は、
それだけで価値があります。
他の人が見過ごしていたものに気づけたあなたの視点は、
誰かにとっての大きなヒントになるのです。
きっかけを与えることや空気を変えることも意見の大きな役割です。
だからこそ「無駄かもしれないから言わない」ではなく、
「自分の意見は無駄ではない」
「気づいたからこそ、少しだけ伝えてみよう」
と思ってもらえたらうれしいです。
良くしたいと思う気持ちがあるからこそ言える意見を、大切に
そもそも意見を言いたいと思った背景には、
「もっと良くしたい」
「このままでいいのだろうか」
という前向きな気持ちがあるはずです。
それはものすごく任感のある行動ですし貴重な意見なのです。
周囲や状況に無関心な人には出てこない想いです。
だからこそあなたが感じたその違和感や疑問や改善のアイデアは、
あなた自身が思っている以上に意味があるということを忘れないでください。
伝える勇気は、きっと誰かの勇気にもなる
あなたが一歩踏み出して発言することで、
「自分も言ってみようかな」と思う誰かが出てくるかもしれません。
誰かの最初の一言が場の雰囲気を変えることはよくあることです。
そしてそれはあなたの勇気から生まれる変化かもしれないのです。
何回も言いますが完璧を求める必要はありません。
詰まってもいい。
怖さがあってもいい。
でも伝えたいという気持ちがあるなら、
少しずつでいいから声に出してみませんか?
あなたのその一言が誰かの心を動かすかもしれません。
意見を言うのはやっぱり怖いものです。
でもその「怖さ」を感じているということは、
あなたが真剣に向き合っている証拠なはずです。
うまく言おうとしなくていい。立派な提案じゃなくてもいい。
「少し気になった」「わからなかった」「引っかかった」
そんな一言が、実は場を前に進める大切なきっかけになるのです。
誰かの声が、空気を変える。
あなたの声が、誰かの勇気になる。
だからこそ「伝えたい」と思ったその気持ちを、
大事にしてほしいのです。
あなたのその感覚にはちゃんと価値があるのですから。