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薬局長や薬剤師が知っていてほしい数字のお話 その②~最初に覚える式はたった2つ~

薬局長を8店舗、エリアマネージャーを計10年を経験し、
現在課長職として働く現役薬剤師のta-sanです。
今までの経験を踏まえて薬局長として知っておくべき知識や、
学んでおくと役立つことをツラツラ綴ります。

この内容の対象者として以下のような薬剤師さん向けの内容になります。

・最近初めて薬局長(管理薬剤師)になった方
・薬局長の経験が短い方
・薬局長として働いているが経営数字が苦手な方
・経営数字を学びたいがどう学んでいいか悩んでいる方

薬剤師向けの話になりますので、
いわゆる調剤薬局をイメージした内容になりますが、
ドラッグストアの物販薬局長の方でも、
理解できるように説明します。

 

今回の内容
・最初に覚える経営に関する数式とは・・・
・あなたがもし上司から売上を10%伸ばせと言われたら・・・
・利益を上げるには売上と経費の差を大きくすること
・ちょっと余談・・・

 

最初に覚える経営に関する数式とは・・・

前回は数字を使うことの重要性と、
「価値」「価値観」の違いについて書きました。
何気なく当たり前のように使っていますが、
これを理解しているかどうかで、
数字に対して「強く」なりますよ。

 

 

数字を使うことの意義は理解されたとは思いますが、
これだけでは経営そのものを理解したことにはなりません。
あくまで最初の1歩過ぎないことは確かです。

経営を学ぶにあたり、
多くの専門用語と数式が数多く存在します。
ちょっとネットで調べれば出るわ出るわ・・・、
やたらと難しそうな単語のオンパレードです。

おそらくこの時点で、
「あ~~、もう難しそうでわけわからないよ・・・」
とあきらめてしまう方も多いと思います。

確かに経営そのものを突き詰めようとすると、
相当な知識が必要になるのは言うまでもありません。

しかしよく考えてみてください。
ここを見てくださっている方は、
経営を専門とした学者を目指す方でも、
現時点で社長や取締役である方でも、
投資家として財をなしている方でも、
経営コンサルティングとして働いている方でもないはずです。

1人の店舗責任者として働いている方のはずです。

つまり店舗経営者が知るべき知識と、
上記のような専門性の高い方が必要とするべき知識は、
全く異なります。

もちろん後に専門性の高い知識を得ることも大事ですが、
現時点では初歩の知識で十分対応できます。

 

最初に覚える数式はたった2つです。

売上=客数×客単価

利益=売上-経費

 

これだけです。
むしろこれを理解できれば最初のうちはほぼ問題ないです。

店舗数字に理解には算数ができればOK

「たった2つの式でほんとに良いの?」
と感じた方多いかもしれませんね。
実際に私も説明する際に
「ほんとにこれだけでいいんでしょうか」
と言われること多々あります。

もちろんこの2つの式が全ての知識とはなりませんが、
結局はこの式にすべてが連結します。
今は想像つかないかもしれませんが、
経験を積めば積むほどこの2つの式に戻ってきます。

すいません、また前置きが長くなりました。
まずはそれぞれの単語の意味を説明します。

売上 :物やサービスを提供した際にお客様から頂く金額
客単価:お客様1人が支払った金額
客数 :お店に来店され買い物をしたお客様の人数
経費 :店舗運営にかかった費用

 

単語の意味自体はそれほど難しくないですよね。
イメージはすぐにつくと思います。
これらの数字を単に掛けたり、足したり、引いたり、割ったりするだけです。
そうです、店舗運営にかかわる数字の計算は算数ができれば十分なのです。

微分積分?→要りません。
代数幾何?→要りません
サインコサインタンジェント?もちろん要りません。

繰り返しますが必要な知識は算数レベルです。
スマホの計算機があれば十分計算できます。
(というかスマホの計算機も機能が多くて優秀ですけどね)

 

あなたがもし上司から売上を10%伸ばせと言われたら・・・

薬局長になると社長や上司から、

「売上を伸ばせ」
「利益を確保しろ」

なんて言われることが増えていることでしょう。

 

例えば社長から「売上を10%伸ばせ」と言われたとします。
あなたはどう考えて行動しますか?

「取り合えず接客レベルを上げておもてなしの心で対応しよう」

なんて考えていませんか?
もちろんこの行動も間違いではありませんが、
あまり具体的ではないし、目標も見えにくいですよね。
薬局長であればまず数字で考えてみてください。

 

どう考えるのかと悩んでいる方、
先ほどの数式を使って考えてみましょう。

売上=客単価×客数

 

売上を10%増やすのですから、
解決方法はシンプルに考えるとたった3つです。

①客単価を10%増やす
②客数を10%増やす
③客単価と客数をそれぞれあげて掛け算で10%増やす

になります。

 

仮にあなたの店舗の1日あたりの営業数字が、

・売上10万円
・客数100人
・客単価1000円

だとすると、
①であれば客数を1日10人増やせば達成できますし、
②であれば客単価を1100円にすればいいということになります。

もし先ほどの取り組みの
「取り合えず接客レベルを上げておもてなしの心で対応しよう」
を行うことで客数や客単価が上がるのであれば、
正しい対応方法になります。
逆に10%増の目標に対して結びつかないのであれば、
別の対策を行う必要が出てくるのです。
(もちろんビジネスにおいておもてなしの精神は大切ですよ)

 

利益を上げるには売上と経費の差を大きくすること

会社経営には利益を上げることはとても重要です。
利益がなければ我々の給料にも影響しますしね。
では利益を出すにはどう考えるのか。

これもシンプルに考えましょう。
数式は下の式になります。

利益=売上-経費

 

つまり売上と経費の差が大きくなればなるほど、
利益額が増加していきます。
逆に売上と利益の差が小さくなればなるほど、
会社の利益額が減っていきます。
当然ですが売上より経費のほうが大きくなれば、
会社は赤字になってしまいます。

ですので例えば社長から、

「利益をあと10万円増やせ」

と言われたら、
売上と経費の差を10万円大きくすれば目標達成です。

 

このようにシンプルに考えれば、
利益を導く計算は単なる引き算です。
こうやって考えてみると最初のイメージよりも
あまり難しくないかもって感じませんか。

 

もちろん今回の話は初歩の話になりますが、
この2つの式なくして経営の数字を考えることはできません。
シンプルかつ最も重要な数式だと思ってください。

 

ちょっと余談・・・

 

私が薬局長に利益を上げようとするにはどうしたらいいと聞くと、
経費を下げて利益を出します」
という答えがほぼ9割以上で返ってきます。

確かに半分正解ではあるんですが、
先ほども書いたように、
利益は売上と経費の差額になります。
なのでもう1つ別の考えを持ってほしいのです。

つまり経費をかけることで売上をより伸ばすということです。
おそらくイメージしやすいのは広告費ではないでしょうか。

TVやYouTubeなどのSNSによく流れますよね。
広告費は各社相当な金額をかけていますが、
そのリターン(売上)も大きいために経費をかけているわけです。

なので
「利益を上げる=経費を減らす」
とすぐに結びつけるのはやめましょう。

経費を使ってでも売上を伸ばす効果があるのであれば、
必要経費として使った方が良策ですよ。

 

少しでも参考になったら嬉しいです。

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