世の中兎にも角にも「コロナ」「コロナ」「コロナ」・・・
まあ注目するのはわかりますが、ずっとこればっかりの報道で正直イヤになる。
「本日も〇〇人の感染者が確認されました。」
「〇曜日では過去最高の感染者数です」ってそろそろ終わりにしてほしい。
医療従事者なのにこんなコメント書いてほんとすいません。
もちろんコロナで苦しんでいる人を知っているし、亡くなった方がいるのもわかっている。
でも、報道を見る限りは「感染者数」ばかりに比重がかかっていて、
ちゃんと現状を正しく伝えようとしているのかは疑問を感じてしまう。
感染された方はもちろんのこと、その家族や友人、そしてエッセンシャルワーカーをないがしろにした報道はやめてほしいと、心から切に願いたい。
タイトルからだいぶ離れて書いてしまった。本題にもどります。
コロナウィルスが拡大する前の医療業界における風物詩といえば・・・、
そう、インフルエンザの蔓延である。
多くの方がかかっていたんですよ、2年前までは。
ですが今シーズンは(正確には去年もですが)いまだに患者さんをみていない。
たったの1人もである。
私は今シーズン未だにインフルエンザの薬を手に取っていない。
いや、今シーズン1人の患者さんもいないわけではなく感染者は確認されているが、
とにかく圧倒的に患者が少なすぎる。
いや、感染者が少ないことはとても良いこと。
高熱で苦しむ方がいないのだから。
インフルエンザを発症する方は、多い年だと2,000万人を超えることもある。
それを考えればホントいいことなのだが、あまりにも少なすぎて(というか0人なので)、
奇妙というか、気味悪くさえ感じてしまう。
実際に厚生労働省のホームページで調べてみた。
比較対象の時期は1月第4週目で確認してみる。
2022年 55人
2021年 58人
2020年 89,579人
2019年 284,036人
2018年 259,328人
この数字の差は何? 何倍どころの話ではない。
ちなみにこの数字は全国約5000の医療機関で報告された患者数のため、
実際にはこの数倍以上の患者数がいると推測される。
それにしてもインフルエンザはこの世から消えてしまうような勢いで減少している。
コロナウィルスにインフルエンザウィルスが駆逐されているのか?
ただこの数字は単純に比較出来ないのだろうとも思う。
例えば今仮に熱が出たとしたら、そもそも病院から「直接来ないで」なんて言われるのがオチ。
発熱外来を行っている病院を見つけて受診するしかない。
受診したところでPCR検査は行うだろうけど、追加でインフルエンザの検査をするとはあまり思えない。
そもそも3年前まではあまりにもインフルエンザに対して日本人は敏感すぎたとも言える。
今のコロナウィルス感染に過敏に反応するような構造とそう変わりなかったと思う。
おそらく今までなら熱が出ようものなら職場やら学校やらで、
「お前インフルエンザじゃないだろうな? かかってないかちゃんと検査してこい」
「お宅のお子さんインフルエンザじゃないの? ちゃんとかかってないこと証明してよね」
なんてよく言われていたはずだ。
なんなら感染していない証明書をもらって来いって言われた方もいるのではないかだろうか。
(そんなものどうやって発行しろというのか・・・)
だから病院に行って「念のため検査して」ということがよく起きていたと考える。
医者だって「検査してくれ」と言われれば全員ではないにしろ、
「うーん、じゃあ受けてみますか?」
ってことになると思う。実際にそういう患者さんは多かった。
インフルエンザやコロナというわけではなく感染症に気を付けること自体は大切だし、
どんな感染症でも命を落としていしまうリスクは大小あれど0にはならない。
それとは別にどんな対策を取ったとしても感染症自体はなくならない。
どこまで行ってもリスクは完全に0にはならない。
だからこそ治療の目的をはっきりとさせる必要がある。
コロナもインフルエンザも一緒で最大の目的は「感染者数を増やさないこと」ではなく、
「感染したとしても重症化させず命を落とさせないこと」
にするべきだと思う。実際にコロナ感染が拡大した際はこれが目的だったはず。
インフルエンザは若くて体力のある方であれば安静に過ごすことで回復に向かう。
もちろん高熱でつらい時期はあるにしても安静にし体力を回復するのが一番だと思う。
インフルエンザには治療薬があるが、医師の判断のもと重症化リスクなどを考えて処方すべきだし、
むやみにやたらに薬を使う必要はないと考える。
また話がそれてしまった。いずれにしても本当にこのままインフルエンザは流行しないのだろうか。
日本だけでなく海外を見ても減少傾向があるという。
流行しないならこれ自体はいい話なんだと思う。インフルエンザにしたって命を落とすケースは実際にあるのだから。
今はなぜ減少したのか理由はわからないけど数年後に、
「そういえば昔インフルエンザって病気あったよね」
なんて話が出来ればいいなと思う。
その時に別の危険な感染症が発生していないことを願いたい。
今回はここまで。