あなたの業績が認められたり、
会社の収益や周囲のスタッフに与える影響が大きくなればなるほど、
必ず昇進の話が出てくるはずです。
直属の上司や本社のお偉いさんに呼ばれて、
「ぜひ○○の役職をやってみないか」と言われることでしょう。
もちろんこの話を「受ける」「受けない」は、
個人個人の働き方のとらえ方で決めていいのですが、
もし承諾するとしたなら必ず確認したほうがいい項目が少なくとも2点あります。
それは「給料」と「何を任されるのか」です。
今回はこの2点について説明したいと思います。
簡単ではありますが少しだけ私の経歴を書くと、
薬学部卒で薬剤師免許を取得し就職。
就職後はドラッグストアや調剤薬局につとめ、
ドラッグストアや調剤薬局で管理者(薬局長)として8店舗、
エリアマネージャーとして10年、
そして今は課長職として働いています。
目次
・やっぱり大事な「給料」がどう増えるのか確認すべし
・給料の内訳を社内規則で確認する
①基本給
②手当
③残業手当
④決まりがないなら交渉する
・自分に課せれる役職と業務を確認する
①あなたに課せられる役職や業務内容は何か
②どんな環境下で働くのか
③スタッフメンバーはどのような構成か
やっぱり大事な「給料」がどう増えるのか確認すべし
ナンダカンダ言って昇進による給料が、
どれくらい増えるのかまず気になるところではないでしょうか。
正直言って給料はサラリーマンにとって会社から受ける最大の評価だと思います。
ですから昇進する際には当然給料は上がってしかるべきです。
いやむしろ給料が上がらない昇進なら全くお勧めはしません。
断って何ら問題ないと思います。
どんな業種でも役職に就いたり何らかの出世すれば、
多少なりとも責任が増えますし任される仕事の質や量が確実に増えます。
新たに自己学習が必要になることも多いです。
にもかかわらず今までの給料と変わらないのなら、
始めのうちは気分が高ぶることもあるでしょうけど、
この肝氏はずっと続くわけではないですし、
時間が経つにつれ多くの方の気持ちが萎えてしまうはずです。
私は昇進するチャンスが来たなら受けたほうがいいと考えています。
昇進するにもそれなりのメリットがあるからです。
ですが給料が変わらないとなれば話は別です。
社員からすれば給料は変わらないのに仕事量は増える、
会社から見れば経費(あなたの給料)をかけずに仕事を任せるわけですから、
どう見たって会社のメリットしかありません。
あなたにとって給料以上の何らかの魅力があるのなら無理には止めませんが、
そうでないなら断ることも視野に入れておくべきと考えます。
給料の内訳を社内規則で確認する
基本的には会社には就業規則や給与規則が作られているはずです。
その内容をみれば自分が昇進することにより給料がどれくらい上がるかわかるはずです。
①基本給
給料が増えるといっても大きく分けて2つの手段があります。
その内訳は、
「基本給」が上がる
「手当」として支給される
に分けられます。
理想は基本給が上がったほうがメリットがかなり大きいです。
というのもあなたの会社がボーナス(賞与)を支給するのであれば、
ボーナスは基本給をベースに計算されますから、
月々の給与だけでなくボーナス月の手取額も増えることになるからです。
手当の場合は基本給とは別で支給されるためボーナスには全く影響されません。
また基本給のメリットとしては、
会社は簡単に基本給を下げることが出来ないこともポイントになります。
もし基本給を減らすとなると全社員の給料に影響します。
ですから基本給を減らすには社員の同意が必要になります。
会社の一存で勝手に減らすことはできません。
基本給が増えるメリットは賞与に影響することと、
そもそも基本給を下げるハードルがかなり高いという点になります。
②手当
基本的に多くの会社では、
「役職手当」として支給されるケースが多いのではないでしょうか。
先ほども説明しましたが、
基本給は変わらず別の支給となる「役職手当」により給料が増えるケースです。
もちろん役職手当でも月々の給料は増えます。
ですが残念ながらボーナスには影響しません。
また役職手当の場合は、
基本給とは異なり比較的金額の変更が行いやすい給料となります。
良い方は悪いですが手当は給料の調整弁として利用される場合もあります。
「最初のうちは設定金額が高かったのに、徐々に減らされた」
なんてことも珍しくありません。
私の過去の経験でいうと、
ある役職手当として2万円支給されていたのが、
基本給が2万円上がった際にこの手当が相殺され、
支給されなくなったことがあります。
確かに基本給でボーナスの支給は上がるのですが、
業績が悪かった期だとボーナスが極端に下がってしまい、
ほとんど給料が変わらなかったという経験をしました。・・・悲しい(涙)
③残業手当
昇進後の役職が残業支給の対象者であるかの確認もしたほうが良いです。
もし残業支給の対象から外されるのであれば、
基本給と手当の増額分がこれまで支給されていた残業分を調べる必要があります。
もし昇進による給料の増額よりも残業代のほうが多いのであれば、
実質減給になってしまいます。
新しい役職の仕事が就業時間内で対応できるのならまだしも、
残業する必要が多くなる可能性が高いのならより慎重に判断すべきでしょう。
場合によっては昇進を断るのももちろんありです。
法的視点で考えると残業(時間外手当)や休日出勤手当、
深夜労働手当は絶対に支給しなくてはならない手当となります。
これは法律で決められていますので、
仮に就業規則や給与規則に記載がなかったとしても会社は支払う義務が発生します。
しかし役職手当や家族手当、資格手当といった上記以外の手当は、
法的には定められてなく会社の任意で決めることが出来るため、
業績が不安定になるなどの理由でカットされる可能性は十分にあります。
言葉は同じ「手当」でも扱いは全く異なりますので注意して下さい。
④決まりがないなら交渉する
会社の規模や社長の考えによっては明確に給与規則がない場合もあります。
この場合はできるなら社長や責任ある役職の方に交渉してみてください。
サラリーマンだってお金をもらっている以上は、
その業界における立派なプロと言えます。
プロスポーツ選手の年俸交渉と全く同じことです。
会社から提示される金額はあなたへの期待の表れとも言えます。
ただしうまく交渉してくださいね。
あまりにも高額を希望すると社長が機嫌を損ねるかもしれません。
自分に課せれる役職と業務を確認する
給料も大事な要素ですが、
昇進を打診した会社があなたに対して何をしてほしいのか気になりますよね。
どのような理由で自分が指名されたのかも気になるはずです。
役職の条件も個々で変わってきます。
指名されたことは期待されているとも言えますからうれしいことですが、
同時にいろいろな疑問も感じているはずです。
①あなたに課せられる役職や業務内容は何か
私のように薬剤師として薬局で働いていたのなら、
最初に任命される役職は薬局長や管理薬剤師でしょうし、
他の小売業であれば売場長や主任、
副店長や店長などもあるでしょう。
任せられる役職に対してどんな業務なのか、
パッと浮かばないのであればまずは確認です。
仮に薬局長を任されるとして、
薬局長としてどんな業務があるのか、
もしあまりイメージできなのであれば聞いてください。
ここで大事なのは「勝手に想像し、勝手に判断しないこと」です。
薬局長の世間一般的な業務イメージ(これはあなたのイメージも含みます)と、
実際に会社から求められる業務にギャップがあることも珍しくありません。
例えばですが薬局長や店長といった、
いわゆるストアマネージャーの業務の1つに数字管理があります。
一般的に数字管理をするという意味合いは、
その店舗の売上や客数を把握にとどまらず、
荒利益や販管費、最終的に店舗の営業利益を管理することが求められます。
しかし実際には会社によっては
「店舗のすべての数字を把握する」ことを求められない場合もあります。
私の経験上、会社によっては営業利益までのシビアな管理を求めず、
売上と客数を中心に把握するのみ求められた会社もありました。
数字管理に限らず他の分野でも業務内容を確認すべきなのは同じです。
あくまで会社が考えるあなたに求める業務範囲やスキルといった、
大まかな昇進後の像を聞き出してみてください。
ここでイメージがある程度できれば、
自分の働く姿が何となくイメージがつくようになります。
②どんな環境下で働くのか
同じ役職でも働く環境は全く異なります。
名目上は同じ「薬局長」だとしても店舗により働く環境はかなり変わってきます。
スタッフが2~3人しかいない小規模の店舗と、
かたや20人以上所属する店舗ではそもそも規模が違いますし、
規模が違えば店舗運営の考え方も変わってきます。
新たに新店を任される場合や、
業績があまりよくない店舗を任されるのでは、
それぞれでの重圧や責任の大きさが変わってきます。
会社があなたに対してどんな役職で、
どんな環境で働くのかを確認してみてください。
③スタッフメンバーはどのような構成か
部下となるスタッフも気になる点の1つだと思います。
勝手知ったる方と一緒に働くかもしれませんし、
全く今まで働いたことのない方もいるかもしえません。
単に年代や性別だけでなく、
どのような経験を積まれた方なのかも確認してみてください。
自分より経験が浅かったり年下の方が多い方が、
働きやすいと考える方もおると思いますが、
実際に自分より年下が多いといざ仕事を振った際に、
「これ知りません」「これ分かりません」
で返されるケースも多くなります。
その際は時間をかけて教育するか、
自分で完結しなくてはならないケースが増えることになります。
年上の方に対して指示を出すのは少し気が引けるかもしれませんが、
経験があるため細かな指示を出さなくても動いてくれる可能性が高くなり、
何より自分が知らないことをサポートしてくれるケースも多くあるはずです。
まとめ
もし昇進の話を受けたのであれば、
その待遇に対して自分が感じていることや、
疑問に思っていることはできる限り無くしたほうがいいです。
確認できることはできる限り無くしておいた方がいいでしょう。
昇進し何らかの役職に就くことは、
給料が増えたり新たな経験を積むことが出来るなどのメリットはあります。
しかし同時に責任も増えますし、
新たなスキルを身につける必要があるなど、
それなりの負担があるのも事実です。
新たに提示された業務内容と働く環境下、
待遇をよく考えたうえで昇進を受けるのかどうか判断してほしいと思います。
ただこのご時世、
あまり昇進や出世に対していいイメージを持っていない方も多いですよね。
私の個人意見を言わせてもらえば、
できるならずっと平社員や低い役職で働くよりも、
声がかかるのであれば少しでも昇進したほうがいいと考えています。
もしちょっとでも興味が湧いたり、
やりがいを感じるようでしたらぜひ受けてほしいと思います。
昇進や出世のメリットをまとめていますので、
良かったらこちらも読んでみてください。